高齢者の介護費用で特にお金がかかるのが、オムツ代です。オムツを制するものは介護を制する。なんて昔言ってた先輩がいましたが、ご家族にとってオムツ代はグッとのしかかってくる。
今回は、オムツの代金が施設などに入所したら、一体いくらかかるのか?検証してみたいと思います。
病院や施設によってオムツ代は違う
まず、結論から言いますと、オムツ代は入院した病院、入所した施設によって価格が違う。ということです。
自宅で介護をしている場合、オムツはどこで購入するでしょうか?お近くのドラッグストアかホームセンター?あるいは、最近はネットショップなんかで購入するかと思います。
その時、安いものを購入したりあるいは、少し高いけど吸収性の良いものを購入したり、人によって様々です。
自宅からデイサービスに通っていらっしゃった頃、半日のオムツ代、あるいは尿とりパッド代はせいぜい400円くらいだったかも知れません。
それが、病院に入院すると一日1000円とか、かかってしまって、『えっ?それってちょっと高くないですか??』という具合になります。
冒頭でお話ししたように、病院や施設でのオムツ代は、独自に価格が決められています。ですので、自分で買うより高くなることがあります。(勿論安くなることもあります。)
使用しているものやメーカーによっても価格が違います。自宅にいる時は、とにかく安いものを。あるいは、お母さんには、一番高いものを。と色々なものを使用していたかも知れませんが、病院や施設で使うオムツは、ほとんど同じ業者の物に統一されています。ですのでその病院や施設が決めたメーカーさんのものを使用することになることが多いでしょう。持ち込み可能な施設もあります。
結局、入院、入所された施設がどういった考え、方針で、どこのオムツを使用しているかです。
交換の頻度で価格も変わる
交換の頻度によっても違うと思います。病院や施設によっては都度排泄交換といって排泄があるとすぐに交換するところもあります。また、定時排泄交換といって一定の時間になると必ず交換するところもあります。
排泄の都度オムツを交換しますと、いくら安いパットやオムツを使用したからといって交換頻度が増えますのでどうしても費用はかさみます。
定時排泄交換であれば、パットに少ししか出てない時でも交換することが多いので、費用がかさみます。勿論、排泄がない時は変えないと思いますが。
実技的な事を申しますと、プロの看護師や介護職員は、慣れていくうちに、排尿パターンを読みます。この人は、何時ごろ排泄するから。と予測します。その時間帯にオムツを交換します。ということは、都度排泄交換。ということですが、高齢者の不快を最小限にできるようにと交換していきます。
結局交換の頻度(使用枚数に比例する)で価格は変わってくるのです。
パットやオムツの商品性能
入居者様の負担と介護職員の負担を軽減するため、最近では、300cc 以上の吸収力のあるパットなどが出て来ています。日中はごわつきのない小さなパットで夜は吸収力のあるものを使用し、交換の頻度を減らします。そちらの方が安い場合もあります。入所者の睡眠を妨げない効果もあります。
一回の排泄量が約150mlくらいですから、2回分カバーできます。今は紙パットも紙おむつも性能が良くなってきたので、尿が出てもむれたり、かぶれたりも少なくなりました。それでも高齢者の皮膚は弱いですし、長時間臥床の状態では、床ずれや褥瘡の原因になったりかぶれたりします。
何しろ高齢者に不快感を与えてしまいます。
高齢者の1日の尿量は1500~2000mlです。ですから、300ml吸収するパットなら5〜7枚くらいのパットが必要です。またオムツも汚れなければ2〜3日うまく使用すればもう少し持ちますが、体動やオムツ外しで漏れなどもある為、ずっと使用するわけにはいきません。
その辺を考慮すると金額はかかります。ではおよそいくらかかるのでしょう。
オムツ代金の計算
病院や施設で24時間過ごされている方が、パットを利用しテープ留めのオムツを使っていたと仮定します。施設や病院はパットを使用することが多いのでそれで計算してみます。
テープ留めのオムツは一日1回交換、パッドは300ml吸収するものを使用し5回交換したとします、計算は、(あくまで概算です。参考にして下さい。)テープ留めオムツ100円×尿とりパッド50円×5 =350円であると1日あたりのオムツ代金は、およそ300円〜500円程度となるでしょう。月に計算すると、大きく見積もって9000〜15000円くらいみていた方が良いでしょう。そこには、お尻拭きのようなものや交換用手袋の代金も含まれるかも知れません。
勿論オムツの代金だけで、その病院や施設の良し悪しや評価をすることは出来ません。それは理解しておいて下さい。
介護保険のオムツ助成制度
今まではあくまで施設に入所されている方(特別養護老人ホームやグループホームなど費用に含まれている所は除く)を対象にお話ししましたが、在宅で介護をされている方に紙おむつを現物給付してくれる助成金制度もあります。各市区町村が行っているので、役所に尋ねてみて下さい。
病院など医療機関に入院している間は現金給付で助成してくれますが、そちらも市区町村によって条件が異なることがありますので、事前に問い合わせに行くと良いでしょう。
まとめ
大事なご家族が、清潔なオムツを適切に使用でき、また気持ちよく老後を過ごせるのは、オムツの価格だけでなく製品の性能も知る必要があることもわかりました。少しでも、ご家族の金銭的な負担が軽減し、介護が楽になり、何より高齢者の方々の身体的、精神的な負担が少なくなるように願います。



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